【Vol.154】 事業の停滞から抜け出すには
私たち中小企業の経営者は、経営者であり、そしてプレイヤーとして
自分の専門職や営業、技術責任者としての役割や仕事を
果たしていかないといけないことが往々にしてあります。
「忙しい」のは、どの経営者も同じかもしれませんが、
マネジメント(経営)を学ぼう、学ばないといけないと、
そう思っている経営者は少ないように感じます。
事業が停滞してしまったり、社員やスタッフが
なかなか育たなかったり、定着しなかったりと、
ひずみが少しずつ大きくなり、緊急経営課題に
なってしまうことがあるかもしれません。
マネジメント力の差が大きな違いを生む。
経営者のマネジメント力向上が重要課題である。
ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。
神奈川県に無休から定休日を3日増やしたにもかかわらず、
社員の平均年収を4割増やした老舗旅館が鶴巻温泉にあります。
「陣屋」という旅館です。
経営を引き継いだ2009年、部屋の稼働率は40%台で、
宿泊料を9,800円からに設定したが、利益を出せなかったそうです。
でも今は、月曜から水曜までが休館で、
社員を20名から25名に増やし、稼働率も80%に高まり、
社員の平均年収は100万円ほど増えたそうです。
何をやったかというと、休館日の半日を研修や会議に充て、
接客力向上に努めるとともに、食事を改めたそうです。
その話を聞いて感じたことは、私たち経営者は、
基本的なこと、当たり前のことが
意外とできていないのかもしれません。
学習する組織をつくること。
仕事のチームは、学習のチームでもなければならない。
ドラッカーのマネジメントの基本と原則では、そのように言われています。
効果的に学び、成果につなげることが大切です。そして、
・まだ満たされていない顧客の欲求は何か?
・潜在的な顧客が購入しない理由は何か?
・なぜ彼らは顧客になっていないのか?
ドラッカー5つの質問の3番目の問いにある、
「顧客にとっての価値は何か?」
そのテーマを含めて、マネジメントの基本と原則を
繰り返しの思考と習慣にしていくこと。
それが、私たち経営者の大きな課題なのかもしれません。