【Vol.202】 未来予測、これからの時代をどう生き抜くのか

今年の1月、トヨタ自動車の豊田社長は、
「クルマ会社を超え、人々のさまざまな移動を助ける会社、
モビリティ・カンパニーへと変革する」と宣言し、
「自動運転車やさまざまなコネクティッドサービスに
必要なモビリティサービスプラットフォームを
つくる会社になる」と、自社の展望について語りました。

実際、トヨタはUberへ出資し、ソフトバンクと提携するなど、
自動車メーカーからサービス業へとシフトを進めつつあります。

電気自動車(EV)や自動運転の研究開発と、
カーシェアリング事業への参入を進めつつ、
ライドシェアの時代への準備を始めています。

その背景には、アメリカのシンクタンクが発表した報告書に、
「ライドシェア企業が保有する自動運転の
電気自動車による公共ネットワークが、
未来の都市交通を担う。その結果、2030年までに、
アメリカのマイカー所有者は80%減少する」と、
そういう未来予測が影響しているのかもしれません。

そのコスト試算でも、公共ネットワークによる
ライドシェアを利用すれば、1マイル(約1.6km)
移動ごとのコストが、自己所有の新車を購入して
使用する場合の約4分の1~約10分の1になるそうです。

このレベルでの移動コストの削減が、
2021年までには実現すると言われています。
そうすると、マイカーの所有から必要なときに使おうと、
ライドシェアサービスの利用へと、大多数の人が
切り替えていっても不思議ではありません。

各自動車メーカーにとって、車を生産、販売して
収益を上げるという、そのビジネスモデルが、
もうすぐ成り立たなくなる可能性があり、
5年後、EVや自動運転が普及し始めているかもしれませんが、
市場はどんどん縮小し、10年後には自動車が売れない、
そういう時代が来ている可能性があるのです。

もしライドシェアの時代が来たら、
これから使いたいという人が、どこに、何人ぐらいいて、
その時点で利用できる車がどこに、何台ぐらいあるかを、
瞬時に正確に把握し、最適なマッチングによる配車を行い、
サービスを提供していくという、そういう業態に変わってきます。

自動運転のシステムは、地図情報や道路状況、
渋滞情報、周辺のイベントなど、あらゆる情報を把握していて、
最適なコースを選択し、安全に運行され、
それが高機能なプラットフォーム上で動いている、
そういうイメージと思われます。

今、世界で何が起こっているのか?

これからどういうことが起きるのか?

われわれは正しい事業にいるのかどうか?

われわれの事業を変えるべきか?

われわれの事業は何になるか?

われわれの事業は何であるべきか?

何をこれからの事業とするべきか?

私たち、中小企業経営者、マネジメントチームは、
遠くを見つめながら、事業を見直していかないといけません。

いかなる企業、産業といえども、
「われわれの事業は何であるべきか」との問いを
発しなければ重大な機会を失うことになる。

ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。

現在の事業をまったく別の事業に変えることによって、
あるいは、商品・サービスの提供の仕方を変えることによって、
新しい機会を開拓し、新しい事業を創造する。
私たちは、その転換期に差し掛かっています。

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