なぜ今のミッション(使命)なのか?
2013年10月に発表されたギャラップ社の調査によると、日本における従業員の満足度を調べた結果、統計データは以下の通りでした。(以下、Forbesからの記事を一部抜粋)
- 仕事に意欲を持ち、幸せを感じる従業員はわずか7%
- 69%は意欲がない
- 24%は仕事が嫌い
ギャラップ社のレポートによると、意欲があり積極的に仕事に取り組む従業員は、「Engaged」の状態、それ以外の人たちを「Not Engaged」としている。「エンゲージド」とは、仕事への情熱を感じ、会社と固い絆があって、日々、新しいことを考え、会社をさらに前進させようと過ごしている人たちと定義をしている。
大部分の69%は意欲がない状態。幸せとは言いがたいが、ひどく不幸というわけでもない従業員。こうした人たちは、気持ちが仕事から離れている。彼らはなんとなくダラダラと日々を過ごし、仕事にほとんどエネルギーを傾けない。
そして24%が、意欲を持とうとしない従業員で、仕事をかなり嫌っている人たち。仕事が嫌いであることを隠さず、さらに同僚の成果をも台無しにする。
「意欲がない」「意欲を持とうとしない」を合わせると、労働者の93%に達する。ギャラップ社の調査はこうした人々を「気持ちが職場から離れていて、生産的であろうとしない」とみる。言い換えると、日本の労働者の9割近くにとって、仕事は達成感ではなくフラストレーションの源になっている。これは、ほとんどの職場は本来もっている能力よりも生産性が高くなく、安全でもなく、雇用者は新しい仕事を作り出せずにいることを意味する。
(出典:2013年10月10日 Forbes)
このレポートを読んだとき、いわゆる2:8の法則が崩れたという衝撃と、そんなものかもしれないという納得感もありました。意欲がない約70%の人の中に、仕事に意欲を持てる人がもう少しいてもおかしくないのに、なぜだろう?
全ての組織がこの調査結果通りではないと思いますが、感覚的に当たっているような気がしていました。何か問題が生じたときに、経営者を含め、全てのリーダーは矢印を自分たちに向けないといけないと教わっていた私は、次のように考えました。
- 組織側に何か問題・課題があるのではないか?
- 模範となるべき良きリーダーがほとんどいない、リーダーシップの欠如?
- 組織・部門内におけるコミュニケーションがうまくいっていない?
- 上司と部下の関係性に問題があり、信頼関係が築けていない状態?
- リーダーシップが求められており、リーダーとしての在り方も問われている
ギャラップ社のレポートを見ているかぎり、組織における生産性は決して高くないでしょうし、この状況の中からイノベーションは生まれづらいと思います。組織で働く社員の皆さんにとって元気がでない状態、そういう雰囲気・閉塞感が漂う大きな要因となる何かがあるのだろうと思いました。
そういう現実の中で、自分に何ができるのだろうか?
一人なので限界はあるものの、強み・卓越性を活かしてできることは何か?
世の中や社会は何を求めているのか?
そう考えながら、たどり着いた答えは、
- 経営のしくみと経営者としての在り方を創る支援をする
- リーダーシップとリーダーとしての在り方を創る支援をする
- 部下を育成・マネジメントするためのコーチングの原理原則を伝える
何をもって社会のニーズに応えていくのかを考えた場合、「組織としての在り方」を創るために、部分最適ではなく、本当はトップダウンでの全体最適アプローチが必要であり、当社の使命(事業)の重要性や価値はあり、社会に貢献をできる余地は十分あるのではないかと感じました。
貢献度合いが高まれば高まるほど、課題に一緒に取り組んでいるお客様の組織はよくなり、活性化され、その数が増えていけば、社会も少しずつよくなっていくのではないかと、そう考えるようになりました。
顧客や社会がどうよくなるのかというと、もっともっと幸せを感じながら組織で働く人たちが増えている状態なのではないか、そのように感じました。
つまり、ミッション(使命)が実現されると、やりがいを感じながら、楽しくワクワクするような気持ちで仕事をする人が増え、今よりも幸せを感じながら日々の生活を送る人が増えている。そのようなイメージをもとに、今の根幹となっているミッション(使命)が出来上がりました。
また、中小零細企業の市場において、コーチングの認知度は弱く、感覚的に9割ぐらいの経営者はコーチングを知りません。コーチングのサービスを提供する業界側が、コーチングの良さや価値をうまく伝えられていない状況だと思っています。ミッション(使命)の2つ目は、それが背景になっています。
では、ミッション(使命)が達成されると、社会はどのようになるのか?
ミッション(使命)が100%達成されると、社会はどのように変わっているのかをイメージしたのが、まさに当社のビジョンです。
「多様性が受け入れられ、国籍や性別、年齢を問わずフェアで、前向きにお互いを助け合う、心豊かないきいきとした社会・組織を創ること」
今後は週に1回を目途に、以下のテーマに関する想いや感じることを、赴くままに綴っていきたいと思います。
- ピーター.F.ドラッカーのマネジメント基本と原則
- リーダーシップ
- コーチング & コミュニケーション
今後とも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
中平 次郎
(Jiro Nakadaira)