【Vol.26】 経営者の仕事とは? ③
繰り返しにはなりますが、マーケティングとイノベーションによって顧客を創造することが
経営者の仕事の1つであるというお話をさせていただきました。
イノベーションも大きな、深いテーマであります。
・機会の見つけ方が7つあり、体系的に機会を分析すること
・古いものを廃棄して、新しいものを取り入れる体系的廃棄が必要なこと
・顧客にとっての価値は何か?(ドラッカー5つの質問の3番目の問い)
この3つに取り組んでいく必要があります。
イノベーションについての詳細は、別の機会で書きたいと思いますが、
今回は少しだけ触れておきたいと思います。
私たち経営者は、事業機会となるような「変化」を見つけないといけません。
では、それをどうやって見つけるのか?
すでに発生していながら、その経済的な衝撃がまだ現れていない変化がイノベーションの機会となる
ドラッカーのマネジメントの基本と原則では、そのように言われています。
体系的に機会を分析していくにあたり、一番大切な取り組みが、
予期せざるものです。
・予期しない成功
・予期しない失敗
・予期しない出来事、顧客からの要望や問い合わせ ⇒ 予期せざる顧客
・外部の予期せぬ変化
ピーター.F.ドラッカーは、次のように述べています。
予期せぬ成功のすべてについて、マネジメントたる者は次のように問わなければならない
① これを機会として利用することは、わが社にとっていかなる意味があるか
② その行き着く先はどこか
③ そのためには何を行わなければならないか
④ それによって仕事の仕方はいかに変わるか
事業機会となるような「変化」を見つけるというのは、次のようなイメージです。
もし今、私たちの時代に魚群探知機がない時代だとして、自分が漁師だったとしたら、
どのように魚を見つけますか?
どこに魚がいるのか?
どうやって網を張るのか?
魚が飛び跳ねているというのは、予期せぬ兆候です。
何かないかなぁ?
では見つかりません。
「そういうのが欲しかった~!」という問い合わせがきていないか?
見つける仕組みを作らないといけません。
そして、それを誰かの日常の仕事にすることが大切です。
そのために、例えばレポートを書くなど、社員が上げていく仕組みが必要になってきます。
例えば、ディズニーランド。
ニーズを記録したり、通常の問い合わせからも記録をし、吸い上げて検討をしたりといったことを
業務の中に取り込んでいると言われています。
そして、おなじみのABCクッキング。
ABCクッキングは、もともとは、調理器具販売の事業をされていたそうです。
女性を集め、料理で自社の調理器具を使って買ってもらい、愛用をしていただこう。
そういう想いで始めたお料理教室ですが、集まった女性からの意見・フィードバックは、
「お料理をする場が楽しい~!」
だったそうです。それがきっかけで、今のお料理教室のビジネスへとなったと言われています。
顧客を創造するためのイノベーションの取り組み。
これも知っているかどうかで、事業機会を見つける確率が変わる。
学んでいるか、学んでいないかで、大きな差になってくると言われています。