【Vol.42】 使命(ミッション)がある場合と無い場合の違いとは?
経営者やトップマネジメントチーム、そして経営管理者である組織のリーダーは、
使命(ミッション)が本当に必要だということを理解し、
組織のメンバーにその大切さを説明しないといけません。
使命(ミッション)の重要性を認識していただくために、
使命がある場合と使命が無い場合の違いを、
サンタクロースを例に、お話をさせていただこうかと思います。
サンタクロースの使命って、何だと思いますか?
サンタクロースの使命は、子供たちを喜ばせることです。
では、サンタクロースはどんな仕事をしているのかを考えてみると、
12月24日に、子供たちが寝ている枕元に行って、プレゼントをあげてくることです。
華やかで、かっこよく見えるかもしれませんが、その仕事というのは、
私たちの想像を超える、とっても大変な仕事なのです。
それは寒い雪の中、そりに乗って、夜中にプレゼントを配達する仕事です。
凍える寒い中、屋根に上がって煙突から入り、
すすで真っ黒になりながら狭い煙突を降りていき、
真っ暗な家の中、子供が寝ている部屋まで行ってプレゼントを置き、
また煙突を上って、屋根をツルツルっと降り、そして次の家に向かう。
仕事内容を考えると、きつくて、汚くて、
ケガをするリスクも伴う、危険な仕事でもあります。
今日は、12月24日。
皆さん、自分がサンタクロースになったと想像してみてください。
手元に、1通の通知だけが届きました。
そしてそこには、次のように書かれていました。
「サンタクロースの皆さんは、本日17時に集まってください。」
会議室にサンタさんが集まり、責任者から説明が始まりました。
「これから1人200個、配ってきてください。プレゼントとリストは、
こちらに置いておきます。配り終わったら、また明日25日の朝、
この場所へ帰ってきてください。」
その会議室には、2つのタイプのサンタさんがいました。
1つはミッションをもったサンタさん。
そしてもう1つはミッションをもたないサンタさん。
使命(ミッション)をもったサンタさんからは、
「早くプレゼントを持っていってあげたいね~」
「子供たちを喜ばせてあげたいね!」
そのような会話が聞こえてきます。
一方で、使命(ミッション)をもたないサンタさんは、
「なぜ今から行くの?」
「外は猛吹雪なのに・・・明日ではダメ??」
抵抗感を感じながら、渋々準備をして、仕方なしに出ていきます。
そして翌朝。
サンタさんは、同じ会議室へ戻ってきました。
使命(ミッション)があるサンタさんは、
「子供たち、喜んでくれたかなぁ~?」
「帰りにでも、そっと見に行きたいね」
限られた時間の中、200個のプレゼントを配り終え、
達成したあとの心地よい疲労感を感じながら、
気持ちが暖かくなるような会話がなされています。
一方で、使命(ミッション)なしのサンタさんは、
「本当大変だった・・・」
「吹雪の寒い中、手はかじかむし、背中から雪は入ってきて冷たいし・・・」
「本当ペイ合わない仕事だよね・・・」
「プレゼント、雪や煙突のすすで多少汚れてしまうのに、子供が文句言ってるんだ!」
「最近の子供は、おもちゃの色まで指定する・・・」
「もう帰りた~い、早く仕事終わらないかなぁ~・・・」
ミッションをもたないサンタさんからは、そのような不平や不満ばかりが聞こえてきます。
やっている仕事は同じなのに、なぜこんなに違ってくるのか?
ミッションがあるか、ないかで違いが出てくる。
仕事はつらい、我慢してやっていくものだ。
そのように思ってしまうと、その人の人生の仕事の考え方になってしまう。
ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。
経営者の皆さん、ミッションをもっている会社と、もっていない会社、
どちらの経営者になりたいですか?
25日の朝、経営者としてサンタさんたちの仕事ぶりを見にきたとします。
そこで、ミッションをもっていないサンタの話を聞いていると、
「このサンタたちは、本当に配っているのか?」
「しっかり仕事をしているのか??」
不安になってきます。
そして、どうしようかと考えた末、
「よし、レポートを上げてもらおう」
そういうふうになってきます。
そのようなことを想像してみたとき、
「使命なんかいらないよ」
とは、簡単に言えないのではないでしょうか?
使命がないと、いい製品・サービスを作れない。
ドラッカーのマネジメントの基本と原則では、そのように言われています。