【Vol.109】 ドラッカーに学ぶ働き方改革 ~長時間労働をどのように是正していくか ②~
知識労働者の生産性は、競争社会における組織の運命を左右する
ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。
肉体労働のような単純労働の場合、
何が仕事か、何が果たすべき職務なのかは、
だいたい、あらかじめ決められています。
例えば、農業を例に考えた場合、作る作物の種類によって、
何を、いつ、どのように植えるべきか、
あらかじめ決まっています。
製造工場の場合は、様式や生産ラインによって、
労働者の仕事が決まってきます。
そうすると、何をするかではなくて、
決められている作業や仕事を、いかにおこなうか?
それが肉体労働者や単純労働者の
生産性のカギとなってきます。
一方、天候にも、機械にも支配をされない知識労働者の場合、
生産性を左右する決定的なカギは、
何をするか、何が仕事か?
まず、それを決めないといけません。
知識労働者は、自分の仕事をほとんど自分で管理しています。
また、その管理ができないといけません。
なぜなら、高水準の教育を受け、
最も重要なツールである「知識」を所有し、
それを管理しているのは、当の知識労働者だからです。
知識以外にも、職種によって、例えば、
PCや計測器といった道具を使うこともありますが、
道具の使い方や、その使用目的を決めるのは、
私たち、知識労働者の「知識」です。
私たち、知識労働者は、
自分の仕事を進めるうえで、何が重要なステップか、
どんな方法を取るべきなのかを知っています。
「知識」を活用することで、どんな雑用が不要で、
無くすべきかを知っていて、それを判断することができます。
保守サービス担当者も、研究所の研究員も、
市場調査をする新入社員も、まず、
「何をするか」を決めなくてはいけません。
それが決まってはじめて、
どのように、それをおこなうか?
方法が問題になってきます。
何が仕事か、何をするべきかを考えるにあたり、
あなたは、何に対して報酬が支払われているのか?
あなたは、何に対して報酬が支払われるべきか?
それを問わなければならない。
ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。
知識労働者の生産性のカギは、まず、
何が仕事かを決めることです。