【Vol.118】 ドラッカーに学ぶ働き方改革 ~長時間労働をどのように是正していくか ⑪~
知識労働の上に成り立っている組織は、
学習する組織であり、教育する組織でないといけない。
私の知識分野のことで、同僚に何を教え、その知識が組織や
同僚の仕事にもたらす影響について何を教えるべきか?
前回、そのようなお話をさせていただきました。
知識労働者は、新しい知識や情報を、自分の仕事に
関係のある人すべてに、確実に伝えないといけない。
その関係者の中には、上司も含まれる。
ドラッカーのマネジメントの基本と原則では、そのように言われています。
以前は、上司自身が同じ仕事をしていたから、
上司は部下の仕事について、よく理解をしているといったことは、
一般的であったかもしれません。
一方で、営業一筋でやってきて、優秀な結果を出し続けていた人が、
マーケティングの責任者になるというふうに、
近年では、昇進や異動も柔軟になってきています。
そのような場合、上司は営業の仕事についてはよくわかっていますが、
広告・宣伝や販売促進、価格設定、流通などについては、
経験がないということも起こりえます。
それでも、マーケティングに関する最終的な意思決定を、
すべて下さなければなりません。
そういう状況において、例えば、広告・宣伝担当の部下が上司に、
広告・宣伝に関する最新動向や、今の環境を教えるという
責任を負わない限り、責任者である上司は、重大な局面で
意思決定を誤る可能性が高くなります。
よって、わが社が学習する組織、お互い教え合う組織であること、
上司を含め、同僚に教えるという教育責任もあるということを
私たちが理解をし、自分の仕事の関係者すべてに、
そういった新しい知識や情報を伝えないといけません。