【Vol.162】 ドラッカーに学ぶ 社会的役割がある会社とは

「インフラ工事とか、鉱山事業のような厳しい現場というのは、
みんなやらなければ、社会は成り立たない。
そこをなんとか、より安全にしたい、
より人間が少ない関わりでできるようにしたい。
お客さまが困っているのをどう我々が解決していくのか?
というのが、社会的な役割だと。
社会的役割がない企業は消え去りますよ。」

コマツの大橋徹二 代表取締役社長(兼)CEOは、
そのように言っています。

社会的役割を持たない会社、
つまり組織に使命や経営理念がない会社や、
理念やミッションがお飾りだけになっている、
あるいは、それを一時的に横においてしまっている、
そういう会社というのは、

「売上をいくらまで伸ばしたい」

「組織を今の3倍にしたい」

「5年以内に上場したい」

「目標未達はマズイから、とりあえず1件でも多く売ろう」

そのように事業の目的が内側にあると同時に、顧客志向が薄れ、
私利私欲のオペレーションになってしまいます。

すぐに消え去ることはないかもしれませんが、
顧客が離れ、売上が下向きになっていき、
マネジメントを改善できなければ、やがて
そうなってしまうという、そういう可能性はあります。

あるいは、組織に何らかの歪みが生じ、
コンプライアンス違反が起きてきたり、
品質不正といった倫理上のトラブルが明るみに出てきたりと、
違うリスクが生じてくる可能性もあります。

大橋CEOのように、「使命」が真に自身のものになっていて、
日常の中で、使命について語っている経営者は、
非常に少ないように感じます。

沖縄県にあるウェブ制作会社、琉球オフィスサービスに
勤める藤盛さんは、「社の理念がぶれないから判断に迷わない」
と、自分自身の意志決定と行動について、そうコメントをしています。

現場から、このような声が上がる企業も、非常に少ないと思います。
ミッション経営、経営理念に基づいた経営が浸透していて、
社員/スタッフも、経営者と同じベクトルを
向いていることがよくわかります。

使命は、自分がとるべき行動と決定の明確な指針となってくれる。

ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。

「使命」から考えることにより、経営者としてぶれなくなる。
そして、意思決定をしやすくなる。

そういう意味において、「使命」が決定の明確な指針と
なってくれるということです。

変化が激しく、その変化のスピードが速い中で、

世の中のニーズは何か?

今、社会は何を求めているのか?

社会的役割を明確にしている組織は、それを踏まえたうえで、

われわれの使命(事業)は何か?

その問いを繰り返し問い続けています。

少なくとも、経営チームは四半期ごとの振り返りで、
この質問に、真剣に問いかけていかないと、
この変化のスピードに対応できなくなるかもしれない。

今、そういう時代、そういう大きな転換期を
迎えているように感じます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です