【Vol.166】 顧客の視点を広げるドラッカーの基本と原則とは?
マーケティングは顧客からスタートする。
その顧客には複数の種類が考えられる。
ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。
業種にもよるかもしれませんが、意識してみていただきたいのは、
全く別種の顧客を同時にかかえている場合です。
例えば、
・銀行における預金者と借入者
・講演/セミナー企画者の講演主催者、講師、参加者
・NPO団体の第一の顧客と支援してくれる顧客
・学習塾の生徒とその両親
・派遣社員にとっての派遣先と自分が担当する顧客 etc.
そのようなケースが考えられます。
そして、盲点になりがちなのは、
協力者、支援者も顧客であるという考え方です。
それを意識できるようになったら、関係者との関わり方も変わり、
より良好な関係性を築いていくことができるようになります。
そして、我が社のステージを1つ、2つと引き上げてくれるような、
大きな取り組みにつながっていきます。
それは、
顧客の現実、欲求、価値からスタートすること。
このドラッカーのマネジメントの基本と原則を適用させていく、
次への大きな1歩を踏み出していくことにつながっていくからです。
カルビーの代表取締役会長 兼 CEOである松本氏は、
次のように述べています。
私自身に関して言うと顧客は多岐にわたる。
・商品を買っていただいている消費者
・原材料や資材、機器を納入してくれていたり、
販売していただいたりしている取引先
・従業員とその家族
・官庁やメディア等の多くの関係者
・株主
ドラッカー5つの質問の2番目の問いである
「われわれの顧客は誰か?」
それを明確にしたうえで、
・その顧客が抱えている問題は何か?
・何を求めているのか?
・株主の期待は?
と、考えるそうです。
まさに、マネジメントの基本と原則に沿った取り組みです。
松本氏は以前、ジョンソン・エンド・ジョンソンにいらしたので、
ドラッカーの基本と原則を学び、自分のものになっているのかもしれません。
取引先をベンダーとして取り扱う。
そこには敬意はなく、ただ安ければよい。
従業員とその家族を顧客と同じようには考えない。
そういう企業が、まだまだたくさんあるように感じます。