【Vol.194】 営業トップが身に付けるべきマーケティングとは
組織が成長すればするほど、営業の責任者、
上級管理職は、顧客と会わなくなっていきます。
そうすると、新しい事業や商品・サービスの意思決定を
おこなっていく際に、今の顧客は求めているかどうか、
Yes/Noで答えられなくなってしまいます。
自分の体験と、今の顧客のギャップは何か?
外に出て、顧客と会って聞かないといけない。
市場を体感することが大切である。
ドラッカーのマネジメントの基本と原則では、
そのように言われています。
営業組織において最も重要なのは、
うまくいったことを考えることです。
理由は、ノウハウを理解し、次に適応するためです。
なぜうまくいったのだろう?
そして、そのことをさらにうまくやれる方法は?
そう問いかけていくと、答えが1つ、2つ出てきます。
そして、そのことをさらにうまくやれる方法はと、
同じ問いを繰り返します。
繰り返していくことにより、強みになっていきます。
そして、卓越性につながっていきます。
卓越性がどこから生まれてくるのか?
うまくいったところから生まれてきます。
うまくいった客観的事実を2-3上げていき、
そのことから私が学んだことは・・・と、
営業チームの中で、情報共有をしていくのです。
仕事のチームは、学習のチームでもなければならない。
共に学ぶ、教え合うチームを作ること。
学ぶしくみを作ることも、営業トップの役割です。
営業会議、数字を詰める会議をやめ、
うまくいったことを考える会議を
実施、継続している組織もあります。
顧客にどんな質問をしたのか?
どんな反応があったのか?
その後、何をどう説明したのか?
日々、どんな工夫をしているのか?
具体的な事例から学んでいきます。
顧客のためにできることは何か?
微差を考える。
これも、一線で働く営業の組織だからこそ、
できる取り組みです。
なぜ、こういう取り組みがいいのか?
前向きな行動につながっていくからです。
学んでいる組織は明るいと言われています。
レポートにする場合は、何をどう書くか、
考えるための視点、問いを営業トップから
提供することが必要です。
話を戻しますが、
マーケティングは販売を不要にすると言われています。
販売とマーケティングは逆である。
同じ意味でないことはもちろん、
補い合う部分さえない。
何らかの販売は必要である。
だが、マーケティングの究極の狙いは、
販売を不要にすることである。
ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。
つまり、顧客を理解したうえで、
商品・サービスを顧客のニーズに合わせ、
自然と売れていくようにすること。
そして、顧客と一体化すること。
営業組織を主体に、そういう状態を目指すのが、
私たち、トップマネジメントの仕事ではないでしょうか。
まさに、マーケティングとイノベーションによって、
顧客を創造することです。
今、営業のトップ、各事業部の本部長に求められていることは、
マーケティングを学び、マーケティング部門、関係部署と
より密に協業していくことではないかと、そう感じます。
そのマーケティングとは、
顧客からスタートする。
顧客の求めているものからスタートする。
顧客の現実、欲求、価値からスタートする
全事業に関わる活動である。
マーケティングが目指すものは、
顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、
おのずから売れるようにすることである。