【Vol.210】 創業に成功するための最大の条件とは
ピーター.F.ドラッカーが初来日した時、
「日本では、企業がアウトサイド・インサイダーとしての
コンサルタントの力を借り、経営学者が企業への
コンサルティングによって企業経営への洞察を深めていく
という仕組みが欠けているのではないか」
と、重要な指摘をしています。
そして、続けて言います。
「創業には5つの守るべき原則がある。
そのうちの第5の原則は、尊敬できる相談相手を
社外にもつことである。実はこれこそが、
創業に成功するための最大の条件である」
先日、ある経営者の方と再会する機会がありました。
久しぶりにお会いし、いろいろお話していく中で、感じたことは、
約5年前にお会いした時と、今と、変わっていなかったことです。
その当時、
「相談相手はいないので、苦しいときがある」
と、お話をされていました。
そして、今回お会いした際に、
「相談相手がいない、夜中によく目を覚まし、眠れないこともある」
と話され、5年前も、今も、変わらず同じでした。
経営において、何が変わっていないかというと、
すべてを自分でやろうとし、
リーダーを育成してこなかったこと。
社員やスタッフを批判し、悪口を言うこと。
「こんなことまで、自分がやっているんですよ」
と、部門のリーダーがいるのに、細かいことまで、
決裁を求められている状態です。
これでは、経営者としての本来の役割や仕事を
果たすことができません。
それができていない、という意味において、
何も変わっていませんでした。
なぜ変わっていないのか。
答えはシンプルです。
経営トップが学んでいないからです。
それなりに社員、スタッフを抱えている
組織であるにもかかわらず、
経営者がマネジメントを学んでいないがゆえに
組織は非効率で、生産性が低い状態で、
人が入っても、また辞めてしまい、
組織のリーダーも、他人事です。
一方で、私のクライアントは、日々忙しくても、
問題はゼロにならなくても、毎日楽しく働き、幸せそうです。
経営者も「人」なので、もちろん感情的になることもありますが、
そのとき、どう対処すればいいかを学んでいるので、冷静に対応しています。
外部に相談相手がいて、よく眠れていて、心身ともに健康です。
出しているエネルギーが違い、軽やかに見えます。
働いている社員、スタッフの皆さんも、忙しいなりにも、
やりがいや充実感を感じ、幸せそうです。
イノベーションが成功し、多少コロナの影響を受けつつも、
組織が成長しており、会社として、次のステージに進みつつあります。
何が違うのかというと、経営トップが学んでいるかどうかの違いです。
「経営者はセルフディベロップメント(自己開発、自己啓発)の
能力がなければならない。基本的知識があるかないか、
知っているかどうか、学んでいるかどうかで成果が異なる」
ピーター.F.ドラッカーは、そのように言います。
「リーダーは孤独である」と、一般的によく言われていますが、
孤独でいたいかどうか、私たちリーダーは選択できます。
経営者として、自らの成長と、組織の成長のために、
自己投資するかどうか、すべて、あなた次第です。
経営者の皆さま、そして、あなたの組織で働く人たちが
幸せで、豊かでありますように。