【Vol.21】 経営者、組織におけるリーダーの皆さんへ3つのお願い
前回、私たち経営者は、人に興味があって、組織をうまく運営しないといけない。
そのために、目線を上げていかないといけない。そして、私たちの組織はどうあるべきかを
もう一度見直してみる、という意味において、働き者の木こりの話をさせていただきました。
経営者、そして組織におけるリーダーの皆さんにお願いが3つあります。
1. 自分の能力を高めるために、学ぶことを仕事の中に組み込むこと
ドラッカーのマネジメントの基本と原則において、
優秀な経営者やリーダーに共通する能力とは、自己成長(Self-Development)ができること、
そういう人であること、と言われています。
自己成長のために学び続けないと、組織の成長も止まってしまうからです。
例えば、IBM。IBMでは、年間で60-100時間学ぶことを課されていると言われています。
そして、私自身もSAPでSales Development(営業開発)の仕事に従事していたとき、
年間で50-60時間を目標に、研修やワークショップの企画・実行を行っていました。
そうすると何が起きるかというと、社員がいい仕事をするようになります。
2. 仕事を楽しむこと
ピーター.F.ドラッカーは、
仕事ができる人は、仕事を楽しんでいる
と言っています。そのために、
・まずは仕事に価値があると思えること、誇りが感じられること
・自分の仕事ぶりに満足が得られること(成果が得られること)
・仕事を通して自分の成長が測れたと思える状態であること
・仕事上の協力関係がきちんと結べていること
上記、4つのポイントが重要だと言われています。
お店で働く社員の方を対象にしたアンケート調査で、このような質問がありました。
「あなたは店長になりたいですか?」
答えは、Yes / No、きれいに分かれました。
店長になりたいと答えた人に、なぜ店長になりたいと思いますか?
と聞いてみると、店長の仕事が楽しそうだから、という答えが返ってきました。
そして、店長になりたくないと答えた人に、なぜ店長になりたくないのですか?
と尋ねてみると、店長の仕事はつらそうだから、という回答でした。
このアンケートから分かることは、部下はリーダーのことをよく見ているということです。
ある会社に、月曜日の朝から楽しく働く女性がいたそうです。知り合いや、その同僚は、
「なぜ月曜の朝から、そんなに楽しそうに働いているのだろう?」
と、ずっと不思議に思っていたそうです。そしてある日、その彼女に尋ねました。
「どうして、月曜の朝から、そんなに楽しそうに働いているの?」
彼女は、このように話してくれたそうです。
毎週日曜日の夜になると、
「月曜日に会社に行くのが楽しいんだ~」
と、うれしそうに、楽しそうに話してくれる、そういう母のもとで育ってきたそうです。
毎週日曜日の夜になると、明日、会社に行くことが楽しみで、ワクワクしてしょうがない。
そういう母親を見て、聞いて、ずっと育ってきたそうです。
そうすると、彼女自身も月曜日に会社に行くことは、とてもワクワクして楽しいんだと、
自然にそう思うようになったそうです。
これら2つの話から、私たちが学べることは、
リーダーである私たちを、相手がどう見ているかで、相手は変わってくる
ということです。だから、経営者を含め、私たち組織のリーダーは、
仕事を楽しむ決意をすること、そして仕事を楽しみ続けること。
それがとても大切なことになるのです。
そして最後に、
3. 「自分のやり方の何を変えたらいいのだろう?」と自身に問いかけること
私たち組織のリーダーは、社員や部下、周りの人、環境などのせいにしたり、他責にするのではなく、
問題が生じたときは、常に矢印を自分たちに返さないといけません。
社員は鏡である
と、ピーター.F.ドラッカーは言っています。
もし社員や部下がうまくいっていないときは、自分がうまく対応できていないと、
私たちリーダーは、そのように捉えていかないといけません。