【Vol.29】 効果的なマネジメントの学び方 ②

前回、マネジメント(経営)を学ぶときは、上から、トップから順番に学ばないといけない
というお話をさせていただきました。

前回に引き続き、マネジメントは、なぜトップから学ばないといけないのか?
その重要性を別の例を用いてお話をさせていただこうかと思います。

マーケティング  VS   販売

ドラッカーのマネジメントの基本と原則では、

マーケティングは顧客の求めているものからスタートしないといけない

と言われています。

マーケティングの究極のねらいは、自然と売れていく状態やしくみを作り、
売り込まなくてもいい状態、究極は販売活動をなくしてしまうことです。

一方、販売は売りたいものからスタートする活動です。

売上曲線がピークを超え、落ち込んできているときに営業の責任者は、

「売れないのは販売努力が不足している、販売強化だ!」

と、もう一度コスト戦略や差別化戦略によって売上を取り戻そうと、
あらゆる施策を考えると思います。

数字が大きく落ち込んでいるときの営業会議は暗い雰囲気の中で進み、
数字のレビューは厳しく、営業はどんどん質問をされて、頭の中が真っ白になってしまうぐらい、
厳しく問い詰められるような会議が行われているかもしれません。
しどろもどろになりながら、営業の一人がつい、商品が悪いと言ってしまい、
営業部長はさらに激怒し、

「バカヤロー!お前らはやる気がないのか!」
「 やる気を出せ!!」

営業会議は暗いまま終わっていき、営業のエネルギーを吸い上げて、部長だけが元気。
そのような営業組織は、意外と多いのかもしれません。

マーケティングとは、

「なぜ売れていないのか?」
「顧客は何を求めているのか?」

そのような顧客を知る活動であり、トップから学んでいないと、

「何を言っているんだ!」
「つべこべ言うのは、数字、結果を出してからだ!!」

と怒られてしまうことが多いのではないでしょうか?

組織が成長すればするほど、経営者は忙しくなり、顧客と会わなくなりがちです。
そうすると、新しい事業や商品の意思決定がしづらくなります。
なぜなら、顧客と会っていないと、今の顧客は新しい商品・サービスを本当に求めているのか、
Yes/Noで答えられなくなるからです。

自分の成功体験と今の顧客のギャップを理解するために、市場を体感しないといけません。
つまり、外に出て顧客と会って、聞かないといけないのです。

その大切さを理解した社長は役員会議で、

「顧客をまわるように」

と、いきなり役員に指示・命令を出すかもしれません。そうすると役員は、

「何のために顧客をまわるのか?」
「何の意味があるのか?」

前提がなく指示をされても、役員は理由をつけて、なかなか動かないのではないかと思います。

だから、トップから効果的に学び、成果につなげていくことが大切になるのです。

では実際、どのようにマネジメントを効果的に学べばいいのか?

次回は、その点に触れたいと思います。

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