【Vol.31】 学習する組織へ ②
前回、マネジメントを効果的に学ぶサイクルを
6つのプロセスに分けてお話をさせていただきました。
もっとも重要なのは、6番目の振り返りをして考えるときに、
「なぜうまくいったのだろう?」
と、うまくいったことを考えることです。
では、なぜうまくいったことを考えることが、もっとも重要なのでしょうか?
1つ目の理由は、うまくいったことを考えることにより、ノウハウを理解し、次に適応するためです。
もう1つの理由は、
「そのことを更にうまくやれる方法は?」
と問うことにより、その答えが1つ、2つ出てくると思います。
その質問を繰り返すことにより、強みになっていき、卓越性につながるからです。
卓越性は、どこから生まれてくるのかというと、うまくいったことから生まれてきます。
だから、リフレクションの振り返りをする際に、関係者でうまくいった客観的事実を2-3あげて、
「そのことから私が学んだことは・・・」
というふうに、関係者全員から意見を出しあい、次に活かしていくことにより、
生産性も高まりますし、 組織も強化されていくのではないかと思います。
この「うまくいったことを考える」というのは、営業会議で活用している組織もあります。
多くの営業会議では、数字関係と、その他連絡事項で終わることが多いのかもしれません。
私が勤めていた前職の会社では、数字をつめる会議です。
外資系では、どうしても営業への詰問とアクションプランの確認になりがちです。
数字関係の進捗確認も大切ですが、うまくいったことを考える、シェアするというアジェンダを
2つ目に盛り込むこともおススメです。例えば、お客さまに対して、
・どんな質問をしたのか?
・何を、どのように説明したのか?
・お客さまは、どのように反応したのか?
・営業プロセス(初回訪問からクロージングまで)において、具体的にどんな工夫をしているのか?
「うまくいったことを考える会議」と称して、上記のような情報シェアのみを
おこなっている組織もあります。
あるいは、
「顧客のために、何ができるか?」
例えば、配送を1日早めるなど、ちょっとした差、
「微差を考える会議」をしている会社もあるそうです。
このように、効果的に学び、成果につなげていく。
組織を学習する組織へ変革していくことにより、強みと卓越性が強化され、
イノベーションの芽が生まれてくるのかもしれません。
そして何よりも、前向きな行動につながります。
そして、学んでいる組織というのは、雰囲気が明るいように感じます。