【Vol.66】 顧客を分類する
顧客を分類する目的は、繰り返しにはなりますが、
「顧客」を時間軸で眺めてみたり、
少し視点を変えてみたりすることによって
インサイトを得るためでもあります。
・昨日の顧客は誰か
・今日の顧客は誰か
・明日の顧客は誰か
・予期せざる顧客は誰か
・非顧客は誰か
・潜在顧客は誰か
例えば、昨日の顧客を考えてみた場合、すでに離れてしまった顧客もいれば、
休眠顧客もいるかもしれません。後者の場合は、ニーズを掘り起こせば、
また今日の顧客に戻ってくる可能性があります。
予期せざる顧客とは、新たな顧客となりうる機会のターゲットと
言われており、イノベーションで成功するための1つのきっかけです。
競合他社から商品・サービスを購入している非顧客を
我が社の顧客にするには、時間と労力を要しますが、
まだどこからも購入をしていない潜在顧客については、
我が社の顧客になっていただける可能性があります。
上記の視点をもって考えていくとともに、
顧客市場軸と技術軸の視点でも考えることが大切である
ドラッカーのマネジメントの基本と原則では、そのように言われています。
顧客市場軸とは、同じ顧客に違う商品・サービスを提供していくことです。
このアプローチは成功しやすいと言われています。
例えば、帝国繊維は消防署へホースを納入していますが、
消防車を輸入し、海外におけるベストプラクティスを
提供するようになったのは、このケースに当てはまります。
技術軸とは、例えば、富士フィルムがフィルムに使用していた
酸化防止技術をアンチエイジングの化粧品に応用する。
あるいは、富山化学工業がインフルエンザ薬のアビガンを
エボラ熱の薬として世の中に提供をしていく。
このような事例は、技術軸で顧客を創造する取り組みになります。