【Vol.85】 売上を再び伸ばすためには? ①
顧客は、わが社の商品・サービスのどのような「価値」を
買っていると思いますか?
これも、身近な例を考えてみると、わかりやすいかもしれません。
例えば、腕時計。
ロレックスがいいという人もいれば、カシオやシチズンなどが扱っている、
電池交換が不要な電波時計がいいと言う人もいるし、スマートフォンがあるから、
腕時計はいらないという人もいるかもしれません。
腕時計メーカーにとっては、同業のメーカーに加え、
携帯やスマートフォンを提供する会社も、
あらたな競合になるというケースです。
ここで注目をしておきたいのは、
顧客が何を「価値」あるものと考えているか?
何に「価値」を感じているか?
それによって、競合になりうるもの、競合となる会社が
変わってくるということです。
他にも、例えば、都内中心部に住んでいる人にとって、
鉄道網が充実しているし、週末も遠出することは、たまにしかないし、
車は必要な時に借りればいいと、そういう人が増えてきていると思います。
そうすると、自動車メーカーにとって、これまでの競合他社は、
同業の自動車メーカーだったけど、そこにカーシェアリングを提供している
会社が加わり、目の上のたんこぶのように感じているかもしれません。
また、外食産業にとって競合するのは、いろんな外食産業であったのが、
価値観の多様化とともに、中食産業を提供しているスーパーやコンビニが
競合になり、今まで競合と思っていたところが競合ではなく、
異なる業種のビジネスがあらたな競合となり、
競合になりうるものが変化してきています。
そういう意味において、落ち込んできている売上を再び伸ばしていくために、
顧客が何を価値あるものと考えているか?
それを知っておくことが大切になってきます。
商品・サービスは価値を提供するための「媒体」でしかない
ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。
顧客は何のために商品・サービスを買っているのか?
私たちは、顧客のいかなる目的を満足させようとしているのか?
顧客に尋ねてみること、そしてわが社においても、
あらためてこの問いを考えてみる必要がありそうです。