【Vol.131】 ドラッカーに学ぶ働き方改革 ~経営者にとっての働き方改革推進とは? ⑪~

「次世代リーダーを育成しないといけないんだけど、どうするのがいいですか?」

最近、同じような相談をよく受けます。

経営者としては、次のリーダーとなる経営幹部や
組織のリーダーを育てていきたい。
自分と対等に話せるようなメンバーを育てていきたい。
自分がいなくても、任せられるメンバーが社内にいると安心。

そのように考える方は多いと思います。

では、周りでは、どのようにしているのか?

自分はさておき、経営者が期待をしている選抜メンバーに、
マネジメント研修や、リーダーシップ研修を受けてもらおうと、
人材育成のために、費用をかけて、教育投資をする方が多いです。

研修後、しばらくたって、研修の効果が上がっているかどうか?

ピーター.F.ドラッカーが経営者に尋ねたときも、
9割がNo.と答えたそうです。
理由は、成果が上がっているかどうかが見えない。
そのように答えたそうです。

それは、たいした効果ではない。
はっきり成果が上がらないといけない。

ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。

では、効果的なマネジメントの学び方、
どのように学んでいけばいいのか?

前々回、前回に引き続き、今回も少し補足をしたいと思います。

働き方改革。組織の生産性を高めていくためには、
経営者がしっかりと、学習する組織をつくっていかなければいけません。

仕事のチームは、学習のチームでもなければならない。
共に学び、教え合うチームを作ること。

ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。

教える組織をつくり、また、そういう仕組みをつくらないといけません。

私の周りで、成功している会社、うまくいっている組織は、
どのような取り組みをしているか?

やはり、経営者自らがドラッカーのマネジメント(経営)を学び、
組織に戻ったら、学んだこと、理解したことをアウトプットしながら、
自らの言葉で、経営幹部やリーダーたちに、
教えるということを実践しています。

そうすることによって、組織全体が共通認識のもと、
マネジメント(経営)に関する話し合いでも、
共通言語でディスカッションができるようになってきます。

組織の20%、組織のリーダーたちが意識を高くし、
変わってくることで、残りのメンバーも変わってくると言われています。

世の中の変化が早い中、市場での競争も激しい中で、
経営者やトップマネジメントチームが、自ら教え、
組織のミッションや、組織が考えている価値観、
そして、それらに基づいた行動指針を浸透させていき、
日々の仕事に適用させていくということが、
とても大切になってきます。

例えば、日産の会長であるゴーンさん、副会長である志賀さん、
NRIの会長である嶋本さん、そして、私の周りでドラッカーの
マネジメントの基本と原則を、繰り返しの思考と習慣にしようと
努力をしている経営者方は、人材育成のために、
自分の時間を投資することを大切にしており、
自ら先頭に立って、教えるということを実践しています。

私たち、中小零細企業も同じです。
まず、経営者が学んでいないと、組織の成長は止まってしまいます。

中小零細企業の場合は、自分が不在のときに、任せられる
No.2のリーダー、経営チームを作っていくことが課題にもなります。

例えば、事業承継。その経営部分だけを切り取っても、
3年で終わらないかもしれません。
事実、私の知り合いの経営者は、承継をスタートさせて3年半になりますが、
まだまだ課題が多く、2020年を見据えて完了を目指していくと、
完了までの目安とする期限を修正したそうです。
失敗は許されないので、丁寧、かつ慎重に進めていくとのことでした。
ちなみに、この会社は、ドラッカーを学んでいる組織でもあります。

そのように、承継や次世代幹部の育成を考えた場合、
特に50名を超えてくる組織においては、少なくとも、
5年は見ておかないといけないのかもしれません。

自分の組織にリーダー候補がいるのであればよいですが、
リーダー候補がいない場合、当然、外から優秀な人材を
雇わないといけません。社内から育てるか、
候補がいないなら、外から雇わないといけません。

外から雇わないといけなくなると、それなりに報酬を支払わないと
来てもらえない可能性もあります。
組織のミッションに共感してもらい、企業風土や文化を理解し、
報酬面でも納得をしてもらってから来てもらうために、
しっかりミッション経営をして、基盤を整えておかないといけません。

優秀な人材を確保するために、高い給料であっても、
支払える組織を、経営者は整えていかないといけません。

そのために経営者は、企業価値を高めるという、
継続的な努力をしていかないといけないということです。

企業価値を高めるためには、組織の生産性を高めながら、

経営者は、自らの組織に特有の使命を果たすこと。
経営者としての役割を果たしていかないといけない。

ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。

特有の使命を果たすとは、

今、社会は何を求めているのか?

自分たちは、強みを活かして何に応えていくのか?

経済的成果を出しながら、次の社会に、
どのように貢献をしていくのか?

組織の使命を果たしながら、売上・利益が上がっている状態、
社会に貢献できている状態をしっかりつくっていくこと。

ドラッカー5つの質問に答えながら、企業価値を少しずつ高めていくのです。
そのために、まずは経営者が学び、そして自ら教えることによって、
組織のリーダーに学んでもらいます。
そして、仕事に適用をしていくのです。

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