【Vol.149】 ミッション経営を浸透させる

先日、10/25日付の日経新聞で経営者同士の対談記事があり、
東京海上ホールディングスの社長で、グループCEOでもある
永野 毅氏のお話がとてもよかったので、共有したいと思います。

同社が取り組んでいることを要約すると、

・経営陣が繰り返しグループ会社の経営陣や社員と対話をしていること
・その対話において、事業の目的論議などを重ねていること
・自分たちの仕事の意義や目的をより深く理解するために顧客と話すこと
・本当に良い会社というのは何をやらなければいけないのか、
 ヒアリングから肌で感じたことを持ち帰り、社内で共有すること

そのような取り組みを通じて、経営理念が組織に浸透していくよう
努めているそうです。永野氏は、「目的の理解が良い仕事を生む」と、
そのように考えていらっしゃいます。

ドラッカーのマネジメントの基本と原則に照らし合わせて考えた場合、
「目的の理解が良い仕事を生む」というのは、

自分たちは何のためにこの仕事をおこなっているのか?

どんな想いで事業をおこなっているのか?

社会の問題や、世の中のニーズを踏まえ、
私たちはどんな強みを活かして、何に応えていくのか?

その事業の目的を理解(自分たちの使命を確認)し、
まさに、「われわれの使命は何か?」という、
ミッション経営のテーマに取り組んでいるということになります。

また顧客に会い、顧客のニーズを確認することは、

「われわれの顧客は誰か?」
「顧客にとっての価値は何か?」

ドラッカー5つの質問の2番目と3番目の問いに取り組み、

顧客 ⇒ 顧客にとっての価値 ⇒ 使命

この3つを繰り返し確認していき、もしズレがあれば解消し、
一貫性を目指していくという取り組みに他なりません。
そうすることにより、経営基盤が確固としたものになっていきます。

経営の根幹部分となるその重要性の理解が、永野氏をはじめとした
トップマネジメントチームにあるように感じます。

あなたの「使命」は、真にあなた自身のものになっているか。

ピーター.F.ドラッカーは、そのように言っています。

日本を牽引していく立場にある大手企業が、
東京海上ホールディングスのように、
ミッション経営に本気で取り組んでいけば、
企業における不祥事も減り、
世の中がもっと良くなっていくのではないだろうかと、
そのように感じます。

そして、私たち中小企業も、組織がコンパクトである分、
経営の舵取りがしやすいメリットがあります。
マネジメントの基本と原則に取り組んだ分だけ、
その分の効果は早く得られます。

私たち中小企業経営者の意識の高さと、本気度次第です。

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